2019年度学部交渉

2019年度学部交渉

2019年度は本交渉項目として5項目、文書回答項目として5項目の要求を行いました。また本交渉では、要望書の提出も行いました。

なお、2019年度学部交渉本交渉は、下記の通り執り行われました。
日時:2019年12月16日(月)17:00より
場所:21KOMCEE West 地下1階レクチャーホール

資料

2019年度要求内容
2019年度学部交渉本交渉傍聴人向け資料
本交渉議事要旨
本交渉を踏まえた追加質問文書
文書回答(追加質問文書への回答を含む)

学部交渉に関するアンケート(第2回) (前期課程生対象)の集計結果
コースツリーに関するアンケート (前期課程生対象)の集計結果

広報に用いた画像

2019年度の要求項目一覧

(目次)
以下では、学生側が要求したこと・学部側の回答や改善点の概要を記載しています。クリックで各項目に飛びます。

    1. (本交渉項目)
    2. 授業用スライドの配布について
    3. コースツリーの導入について
    4. 学生の食事環境について
    5. UTokyo WiFiの増備について
    6. 試験答案およびレポートの返却について
    7. (文書回答項目)
    8. 三鷹寮から豊島・追分寮への移行時の空白期間問題について
    9. 進学選択に関する情報伝達の改善について
    10. キャンパスプラザA・B棟へのエアコン設置と代替教室借用措置について
    11. 英語中級の抽選システムについて
    12. 進学選択制度の改善について
    13. (要望書)
    14. 自治委員会決議に基づく授業料免除制度に関する要望書

授業用スライドの配布について

【本文】
履修者が希望する場合、スライドを教員からもらえるようにすること。
【議論・回答要旨】
教員に授業用スライド・資料の配布を断られた学生がいることを問題提起し、理由として学生からあげられた「著作権の問題」「出席者優遇措置」について、それぞれ「著作権に関するマニュアルの作成」「コメントシート等、代替の措置」を求めました。また、配布促進に繋がると考えられるITC-LMSの教員への周知を併せて求めました。
学部側は、教員に義務付けることはできない・最先端の研究内容を含む場合配布が困難とした上で、要望があったことの周知・ITC-LMSに関する広報は可能であると回答しました。
また傍聴人から、体調不良・ハンディキャップ等の要因で資料配布を希望する学生もいるという指摘がありました。現状、個別の対応となっていますが、どのようなレベルの学生にも対応するユニバーサルデザインという観点が重要であると確認しました。

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コースツリーの導入について

【本文】
本学部前期課程において開講されている講義について、学問分野ごとに、開講所属を越えたコースツリーを作成すること。
【議論・回答要旨】
交渉当時のシラバス・授業検索サービスの問題点を指摘し、それを解決するものとして「前期課程全体でのコースツリー(または分野ごとの科目一覧)の導入」を要求しました。学生側は、既に作られている化学のコースツリーが学生に浸透していること・科目の前後関係や繋がりが可視化されることで履修を組み立てやすくなるというメリットを指摘しました。
学部側は、教養学部の理念であるリベラルアーツから、科目区分に捉われず学生に自主的に履修計画を組み立てることの重要性を指摘しました。一方で、化学のように体系化が容易な場合は、学科・部会の判断でコースツリーを作成する可能性はあると回答しました。
加えて、シラバスの電子化により視認性が下がったこと、新入生が履修計画を立てることの難しさ等の観点を学部側と共有しました。

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学生の食事環境について

【本文】
学生の食事環境を改善すること。
【議論・回答要旨】
平成30年度の交渉結果を踏まえ、「フードトラックの導入」「学食パスの利用範囲拡大」「自動販売機の増設・そのプロセスの透明化」を要望しました。食事環境については、同じキャンパスで過ごす教職員も、学生と同様の要望を持っているという指摘がありました。
フードトラックは事務方レベルで検討が進められているが、まだ安全性・業者選定などの課題があるとのことです。学食パスは、すぐにはシステム改修ができないという回答を、学部を通して生協から受けました。自動販売機については防災対策という意義もあることから現状を問題視していると述べ、2019年12月にアドミニストレーション棟に2台設置予定であると伝えられました。
回答を受け学生自治会は、「フードトラックの業者選定に学生・教職員の意見を反映すること」「自動販売機を学生・教職員も使え、かつ現状不足している場所にも設置していくこと」「プロセスを透明化すること」の3点を改めて要求しました。
傍聴人からは、食事環境の問題は根本的に、学生相談所不足にも表されるようなキャンパスのキャパシティ不足と指摘がありました。また自販機に絡め、構内の工事等の情報公開についても傍聴人から質問がありました。

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UTokyo WiFiの増備について

【本文】
講義棟に加え、図書館・食堂・フリースペースなど学生の自主学習に頻繁に使われる施設について、Wi-Fiを増備すること。
【議論・回答要旨】
平成30年度に引き続きUTokyo WiFiの増備を要望しました。2019年は急遽900番講堂の工事が行われた影響で、代替である7号館にもWi-Fiが設置されましたが、平成30年度交渉以降、その他の施設のWi-Fi増備はなされていないとのことです。
学部側はWi-Fi問題を認識しており、引き続き学生自治会からも要望を出して欲しい、と回答しました。その上で、現在1号館・21KOMCEE WestなどのWi-Fiが老朽化しているため、取り替える方針であると述べ、要望の一つである駒場コミュニケーション・プラザの整備は教室棟・図書館の次になるだろうと回答しました。

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試験答案およびレポートの返却について

【本文】
学生から定期試験の答案やレポートを返却するよう要望があった場合、必ず応じること。また、教員は学生に対し、希望があれば答案やレポートの返却ができるとアナウンスすること。
【議論・回答要旨】
試験答案・レポートの返却を要求しても応じられないという学生がいることについて、評価確認が学習上有意義と考えられること・返却に潜在的なニーズがあることを指摘し「希望した学生へのスキャンした答案の返却」を求めました。スキャンしたものの返却を求めたのは、教員側に1年間の答案保管義務があるためです。また、実施のためのTA・職員増員などの体制改革も合わせて要求しました。
学部側は、多数の答案のスキャンには労力がかかり、大学が財政的に厳しいことで駒場の教育へのリソースも割かれている現状は、一律の対応を義務付けることは厳しいと回答しました。
それを受け学生側は「学生への返却可能な旨の広報」「成績評価の確認の制度緩和」等を提案し、学部からは検討するとの回答が得られました。

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三鷹国際学生宿舎から豊島・追分国際学生宿舎への移行時の空白期間問題について

【本文】
三鷹国際学生宿舎から豊島・追分国際学生宿舎へ移行する学生について、居所・荷物置き場のない期間(空白期間)が生じている現状を改善すること。
【趣旨説明・回答要旨】
三鷹宿舎の退去期限と豊島・追分宿舎の入居開始には10日間の開きがあり、両宿舎の間を移る学生はその間住居と荷物の置き場を失うことになります。本会はこれを改善するよう要求し、具体的には「代替宿舎の提供」や「空白期間における居住費の補助」を行うことを提案しました。
学部側は、本会が提案した代替宿舎の提供・居住費の補助などの施策は考えていない、と回答し、理由説明は全くありませんでした。また、三鷹宿舎の退去期限の延長も、新入生の入居までに10日程度の清掃・原状回復工事を行う都合上不可能であるとのことでした。
理由を問うため学部に追加で質問書を提出したところ、「宿舎退去後民間の家やアパートに移る学生もいるため、豊島・追分宿舎へ移る学生のみに補助を行うことは公平の観点からも不適切である」とのことでした。また、「仮に補助を行う場合、その管轄は学生支援課(三鷹宿舎)である」との回答も得ました。

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進学選択に関する情報伝達の改善について

【本文】
次の1,2の施策により、進学選択に関する情報提供を改善すること。

  1. 後期課程進学選択に関するガイダンスの全資料を学務システムやホームページなどの電子媒体で公開すること。また、ガイダンスの回数を可能な限り増やすこと。
  2. 教養学部サイト内「進学選択」ページの閲覧性を改善すること。

【趣旨説明・回答要旨】
進学選択の制度や後期課程各学部の紹介を行うガイダンスが行われていますが、ほとんどが一回ずつしか行われず、またガイダンス同士の日程が重なってしまうケースも存在しました。そのため、ガイダンスに用いた資料の公開を要求し、また教職員の都合上難しいと考えられるものの、ガイダンスの回数を増やすことも要求しました。加えて、現状の関連WEBページの閲覧性を、レイアウト変更・後期課程各学部の情報を集約したページの作成等により、改善させることを提案しました。
学部からの回答によれば、1.については、学部から進学選択に関する会議に対し、要望が伝えられました。後期課程のホームページで公開されている資料については前期課程のページからリンクを踏めるようにされ、今後も同様の対応となるということでした。2.については、学生自治会の提案を参考に、情報を見つけやすいようなページのレイアウトに変更したとのことでした。

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キャンパスプラザA・B棟へのエアコン設置と夏季の代替教室借用措置について

【本文】
キャンパスプラザA棟の壊れたエアコンを速やかに修理し、キャンパスプラザA棟、B棟のまだエアコンが設置されていない部屋に順次エアコンを設置すること。また、そのための予算を確保すること。加えて、エアコンが設置されるまでの例外的措置として、夏季休業期間中の5号館および7号館の教室借用を認めること。その際、教室借用の条件を緩和すること。
【趣旨説明・回答要旨】
学生の主要な課外活動施設であるキャンパスプラザですが、A棟の一部・B棟の全部にエアコンが設置されておらず、またA棟のエアコンも複数故障しており、特に夏季は熱中症等の恐れがある深刻な状況でした。これを受けて、キャンパスプラザの空調設備の速やかな更新・新規設置とともに、夏季には代替として5号館・7号館を緩やかな条件で借用できるように求めました。通常、正課の施設を課外活動のために借用できるのは、拡大教授会に携わる教員の承認を得て、年度始めに登録を行った団体に限られています。
学部側の返答によれば、キャンパスプラザA棟の既存の空調機器3系統のうち、2系統が2020年6月までに更新され、もう1系統も2021年度までに行う方向で調整されています。駒場Ⅰキャンパスの課外活動施設は本部が維持管理を行っているため、エアコンの新規設置については本部に設置を要望していくが、同時に教養学部予算内での設置も検討するとのことでした。一方、教室借用の条件については、静粛な教育・研究環境の維持や確実な使用後の現状回復のために必要であり、緩和はできないという返答でした。

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英語中級の抽選システムについて<

【本文】
英語中級・上級の履修・抽選システム、およびそれに関する履修の手引きの記述を改善すること。
【趣旨説明・回答要旨】
本会は英語中級・上級について、希望した全ての授業で抽選が行われ全ての抽選に落ちた学生が存在することを確認しました。そして、そのような学生が英語中級・上級を履修するのに必要な手続きが煩雑であることから、英語中級・上級の履修ができず履修計画の作成が阻害される可能性を指摘しました。また全ての抽選に落ちた学生が英語中級・上級を履修する際に必要な作業が、平成31年度の「履修の手引き」には記載されていないことを指摘しました。
以上の点を踏まえて、本会は2点の要求をしました。1点目は抽選システムの改善です。2点目は全ての抽選に落ちた学生が英語中級・上級を履修するのに必要な手続きを「履修の手引き」に明記することです。
学部側は抽選システムの改善として、抽選漏れを減らすために希望クラス数を増やす対応を2020年度から行なっていると回答しました。また令和2年度の「履修の手引き」から、英語中級・上級の追加募集を履修するために必要な手続きに関する記載を追加しているとも回答しました。

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進学選択制度の改善について

【本文】
進学選択で用いられる点数のために、本学部前期課程におけるリベラル・アーツ教育の理念が損なわれている現状を改善すること。
【趣旨説明・回答要旨】
進学選択における点数計算のシステムが教養学部前期課程の理念にそぐわないものであるという問題意識を提起しました。具体的には、現状の得点(基本平均点)算出の意図を明らかにすることと、以下のような基本平均点算出方式の改善案に対して見解を公表することの二点を要求しました。
①履修登録の段階でその単位を平均点に算入するかどうか、学生が選択できるようにする。
②所定の単位数のみを算入し、他の単位は算入しない(重率0とする)。
③所定の単位数を超えた場合には、それを算入すれば平均点が上がる場合は算入し、上がらない場合は算入しない。
学部側の回答では、まず一点目の現状の基本平均点計算方法の意図について、特定の専門分野に偏らない総合的な視野を獲得させるリベラル・アーツ教育を行うことを目的として設定された「前期課程を修了する要件」を、進学選択までに満たすように学生に履修を促すこと、及び「追い出し」制度により、点数の取りこぼしを恐れることなく、多様な授業を履修することを促すことを意図として設計されているということでした。また、二点目の学生自治会の①から③の提案は、リベラルアーツ教育の理念にそぐわないものであるという返答でした。

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自治委員会決議に基づく授業料免除制度に関する要望書

【要望内容・回答要旨】
文部科学省による高等教育の就学支援新制度実施に伴い、授業料免除制度に影響があるのではないかという懸念が生じました。交渉当時すでに、既に在籍する学生には影響が出ないよう支援する旨の声明が本部より出されていたため、教養学部に対しては「現状の免除水準の維持の重要性を確認し、本部や他機関に働きかけること」を求めました。
教養学部からは、学部単体での対応は難しいが、全ての学生が入学後必ず所属することになるという特性のため学生の現実を適切把握できること、またそれを元に本部に働きかけていくことができる、との回答がありました。

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広報画像

Twitter等での広報で使用した画像です。

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