2022年度Sセメスターに開講予定の自主ゼミを以下に紹介します。自主ゼミならではの授業や、現在では貴重な対面の機会もありますので、ぜひ参加をご検討ください。
また、シラバス風自主ゼミ紹介のpdfを作成しましたので、ぜひダウンロードしてご覧ください。(内容はこのページのものと同一です。)
ベルカント研究ゼミナール(水曜5限/全週対面@コミプラ2F舞台芸術実習室)
ベルカント研究ゼミナールは、今年度で38周年を迎える歴史あるゼミです。講師の夏目張安先生のご指導のもと、イタリア発祥の歌唱法であるベルカント唱法を学びます。
「ベルカント」とは、イタリア語で”Bel(美しい)Canto(歌唱)”という意味の言葉です。
比較的クセのない発声法であることから、オペラ、合唱サークルに所属する方はもちろん、バンドのボーカルを務めている方や、単に歌がうまく歌えるようになりたいという方にも人気のゼミとなっています。
授業は、講師が参加者に対して順番に個別指導を行う実践的な形態をとっており、受講者一人一人の歌唱力が確実に向上すると評判です。個別指導の題材としては、受講者ごとに異なるイタリア歌曲が課題曲として与えられます。お互いの曲を聴き合い、詩を味わいながら毎回の授業が進んでいくため、オペラに興味のある方にもおすすめです。また、本ゼミを受講することで期待できる効果は、歌唱技能の向上だけではありません。歌う姿勢や身体の使い方についてのレクチャーが理論的に行われるため、声楽に対する理解が深まることも期待されます。
さらにベルカントゼミでは、授業外での発表の機会も用意されています(参加は任意です)。五月祭・駒場祭ではゼミ独自開催の演奏会を行い、夏休みには数日間集中して指導を受けられる合宿も行われます。
なお、歌唱を伴う授業ということもあり、本ゼミも一昨年度、昨年度とコロナ禍の影響を受け、活動の縮小を余儀なくされました。それでも、昨年の五月祭・駒場祭では独唱の様子を事前に録画し、配信する形での演奏会を実施しました。今年度も引き続き、独唱という密を避けやすい形での活動継続を目指しています。
最後に、初回授業のご案内をさせていただきます。初回授業にご参加いただけない場合、履修が認められません。受講をご希望の方は、必ずお越しいただきますようお願い申し上げます。
【日時】4/6㈬ 5限(16:50-18:35)
【場所】駒場コミュニケーションプラザ北館2階 舞台芸術実習室
【備考】
・受講希望人数が定員の10-15人を上回る場合、初回の授業でオーディションを実施させていただきます。オーディション曲の練習は授業内で行うため、事前の準備は不要です。
・今セメスターは自主ゼミでの開講となるため、3,4年生の方のご参加も大歓迎です!
・当日、感染症対策についての指示をさせていただきますので、ご協力をお願い致します。
次世代情報戦略研究ゼミ(金曜5限/ハイブリッド@1号館118教室)
『次世代情報戦略研究ゼミ』 2022年度Sセメの自主ゼミです。現代社会の諸問題を解決するための文理を横断した思考法を身につける事を主軸に、起業家の育成からテクノロジーや近代政治経済なども詳しく解説します。全学年・海外・地方出身者歓迎です。 22年度は海外大で分子生物学を学んでいる牧野越叢君(現海外大3年、灘65代生徒会長)をアシスタントに迎え、現代の知の根幹である『情報』と『構造』というテーマをより深く探究していくとともに、社会へアプローチするツールも作っていきたいと考えています。 【特色】 ◎知識・思考・実践・表現とバランス良く学べる ◎量子やテクノロジーから政治経済、金融の仕組みなど幅広いトピックに触れられる ◎学生が可能なコストの低い実用・実践的なアプローチが学べる 【概要】 「情報」「構造」的思考力の紐解き・構築をテーマに、文系理系を横断した様々なトピックを題材としたイノベーションデザインと本質的思考の方法論を学んでいきます。 ◎主な内容 「広告コピーの作り方」「vtuberの成り方」「作編曲の方法」「情報的なサービスの作り方」という実用・実践的な話から、「日本語の特性」「市場と期待値」「本質の本質」「概念とは」「戦術と戦略」「エントロピーと対称性」「情報密度」などのように概念的な事象の解説、「崩壊する民主主義」「現代の政治経済・歴史の裏側」「半導体とテクノロジー」「起業と株式」などの社会的な話まで、当ゼミでは様々な話題を取り扱います。 ◎データや情報を使った価値の作り方 座学だけではなく、実際に手を動かしながらプログラミングの基礎(python、swift)や新しいツールを使ったプロダクト(作編曲・ボーカロイド・vtuber)の創作方法なども学んでいきます。学生でも可能なようにデジタル世界で適切なツールを選定し、なるべくコストが低く将来やりたい事をサポートできる方策を学べます。 ◎ゲスト講座 未来を考え実践している本物の人物をお呼びしております。また、講師の活動として当ゼミ以外でも落合陽一氏、川上量生氏、DMM会長亀山氏など多くの著名な方々をお呼びしております。 ◎研究会 『情報』という領域の実践と研究をやっていきます。内外の人材やコミュニティと連携し、デジタルツールを使った実践的なアプローチや、次世代の情報戦略をサポートするフレームワークの研究をしていきます。 【ゲスト実績】 ①衆議院議員 鈴木憲和(農林水産省→自民党青年部次長、外務大臣政務官等) ②スーパー公務員 高野成鮮(映画「ローマ法皇に米を食べさせた男」のモデルとなった人物、僧侶) ③元ボクシング世界王者 田口良一(ライトフライ級統一王者・スーパー王者、タレント) 【講師紹介】 伊藤 龍介:広告代理店→外資系→コンサルタント→起業、法政大学法学部政治学科卒、KCEスクール音響サウンドプロ科修了 マーケティングと新規事業コンサルティングを中心の仕事から数年前に資金調達して起業。都内最大手の中高生ビジコンのメンター・事務局長などを歴任。広告コピーの賞、ホリエモン.com編集、デジタル広告分野では業界一のスキルを持つ。趣味はゲーム、日本史の研究。 牧野 越叢: 灘中高(第65代生徒会長)→東京大学1年次中退→ペンシルベニア州立大3年(分子生物学)、学芸饗宴(すずかんゼミ) RNAポリメラーゼの構造解析の研究室に所属。休学中に編集工学研究所で1年間アシスタント・エディターとして勤めた他、地元名古屋の物流会社のDX推進室で一年間インターン。趣味は路上考現しながらの旅行と将棋、グラフィック・デザイン。
情報戦略研究ゼミ
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/85311489251?pwd=VE1KWTArQnl3aThtdXNWRVZXTEltdz09
法と社会と人権ゼミ(川人ゼミ)(金曜5限/ハイブリッド@101号室)
法と社会と人権ゼミ(通称:川人ゼミ)は、川人博弁護士が「東大生は社会問題の現場を知らなさすぎる」という理由で1992年に設立された歴史あるゼミです。川人先生は過労死問題の第一人者であり、過去には電通の高橋まつりさんの過労死事件も取り扱われています。そんな川人先生のもとで我々は様々な社会問題の第一人者をお招きしてお話を伺っています。 それに加えて、ゼミ生は複数のテーマの中から自分の興味ある分野を選び、その分野を中心に各分野の専門家のもとへお話を伺いに行っています(ゼミ生はフィールドワークと呼んでいます)。今セメスターは労働・教育・国際社会・格差と貧困・ジェンダー・医療福祉から選ぶ形となります。各セメスターの最後には選んだ分野について学生同士で意見交換を行う学生発表もあるため、目標を持って学習することができます。休暇中には東日本大震災の被災地を訪ねる東北研修や、夏合宿など、集中的な研修もあります。 コロナ禍ではオンラインも併用しながら各イベントを実施しましたが、講演者の方々や先生方のおかげで充実した中身となりました。また、このゼミの特徴として選考が設けられていないこと、そしてゼミ生の数が多いことが挙げられます。フィールドワークへの参加は基本的に任意となるので、兼部・兼サーに差し支えはありません。文系のみならず理系の学生まで在籍しており、じっくり社会問題に取り組みたい人から友人を多く作りたい人まで、全ての人のニーズに応じ、あらゆる興味・問題意識を持つ方に門戸を開いているゼミと言えます。
冒頭でも述べたように、川人ゼミは社会問題の現場を学ぶことを大事にしています。これを当ゼミでは「現場主義」と呼んでいますが、徹底した現場主義の下で私たち学生が幅広い社会問題を深く知ること、当事者意識を持つこと、そして将来への礎石とすることがこのゼミの到達目標と言えるのではないでしょうか。
参加希望者は4/8(金)5限(16:50〜)のガイダンスに出席してください。
法と社会と人権ゼミ(ガイダンス用)
https://us02web.zoom.us/j/89427452802?pwd=SFlSOGhsekdVL2pvNmg3RFQzSmF3dz09
ミーティングID: 894 2745 2802
パスコード: 405444
日本の医療の光と影(木曜5限/ハイブリッド@1号館103教室)
「日本の医療の光と影ゼミナール ~医療と福祉の現場から考える現代社会~」では医療という観点から、日本社会の未来について考え議論します。現役の医師、弁護士などの専門家や過労死問題のご家族の方など当事者を講師としてお招きし、リアルな実態をお話していただきます。文理は問わず、科類を超えたゼミ生同士のディスカッションで学びを深めることができます。
さらに医療現場体験や裁判傍聴などフィールドワーク(任意)※で現場の実態をみることまでできます。過去には足浴のボランティアを医療現場で行う、食をテーマに農業体験をするなど普通の講義で学べないことを体験できるゼミとなっています。
学生はテーマごとのグループに分かれて学習を行い、最後には班ごとに調べてきたことを踏まえたプレゼンを行いまます。2022年Sセメスターでは「日本と世界の医療制度の違いは何からくるのか?」、「疾病の自己責任論vs疾病の社会的決定要因論」、「働き方改革は過労死を減らせるのか」の3つのテーマで学べます。
※感染状況によっては実施できない場合がございます。
https://us02web.zoom.us/j/86977786187?pwd=Zjhlc2szWDJvZmV6K2ZpMWlvMm9XZz09
ミーティングID: 869 7778 6187
パスコード: 963389
ボーカロイド音楽論(火曜6限/ハイブリッド@1号館109教室)
ボカロPで音楽評論家の鮎川ぱてと申します。本講義は、現代日本の音楽状況の中でもっとも重要な存在感を示す「ボーカロイド(ボカロ)」を用いた音楽群の分析を通して、近年のボカロ流行現象の本質、ひいては音楽自体の本質に迫ろうというものです。
講義では、講師がこれまでも強調してきた「永きにわたった人類による”うたの私有”が終わった」ことのインパクトを考えます。それは同時に、既存の音楽論を振り返り、再検討する機会にもなるでしょう。「アンチ・セクシュアル」というキーワードが、講義のひとつの軸になっていきます。
最初に「シーンの中で人気を博したのが、ラブソング群ではなかった」という事実に注目します。かつて音楽評論家の湯川れい子さんは「人間は、思春期を迎えるとラブソングを求めるようになる生き物なんです」と語りました。果たしてそうでしょうか。ボカロシーンでは、アンチ・ラブソング、とまでは言わないまでも、恋愛などの通念を自明とはしない感性を持った曲が人気を集めました(ex.「ラブという得体の知れないもの」)。人によっては厨二病的とも言うその感性の内と外を、フランスの人文学者ミシェル・フーコーの議論を参照しながら考えていくところから講義はスタートします。
主なアプローチ手法は、記号論、ジェンダー論、精神分析ですが、駒場と言えば、リベラルアーツ。私は、一本学出身者としてこの理念に共感する者です。狭義のアカデミシャンではないゆえに可能なある種の知的蛮勇として、前記の人文科学的手法に留まらない領域横断的な分析を試みてみたいと思っています。
開講にあたって大学から頂戴した前期課程講師用マニュアルには、皆さんに次の3つを促すようにと謳われています。「新しい概念の理解」「自発的想起」「創造的思考」。これらの現場的実践が、私の言葉で言えば「知的蛮勇」であり、「批評」です。
ボカロは老若男女、すべての人を受け入れるシーンですが、その上で、やはり主役は、若いみなさんだと思っています。みなさんが当事者として立ち会い、そしていまだ深度のある議論が少ないボカロカルチャーこそは、そのような批評の対象とするに最適です。
初音ミクが発表されて14年が経ちました。新しい作家が参入しつづけるこのシーンは衰えることを知りません(本ゼミからもたくさんのボカロPが誕生しました)。出会いばかりでなく、別れもありました。本学における本講義には、必ず弔わなければいけない作家がいます。
ボカロが好きな人。音楽が好きな人。かつてボカロが好きだった人。どの立場の人も主役です。科類は問いません。「感覚を思考の俎上にあげること」を恐れないあなたの参加をお待ちしています。今学期はきっと、特別な学期になります。
4週目までオンライン・以降ハイブリッドです。
未来シナリオとリーダーシップ〜国内外情勢の分析とイノヴェーション〜(水曜4限/ハイブリッド@1号館162教室)
自主ゼミ「未来シナリオとリーダーシップ」(通称「原田ゼミ」)では、元外交官で現シンクタンク経営者の原田武夫氏の指導のもと、情報リテラシーの習得及び未来シナリオの構築を通じて、不確実性とヴォラティリティーが増す世界の中で人生を切り拓き、国内外の社会を刷新していく次世代型グローバルリーダーを育成します。
まず、情報リテラシーの基礎を学びます。次に、具体的な国内外情勢を題材にとって実践的に分析手法を修得した上で、これらに基づき短期・中期・長期の未来シナリオを作成します。さらに、そうした未来シナリオの現場における実践の結果として、イノヴェーションをもたらすためのリーダーシップについて体験的に学んでいきます。
とりわけ、この情報リテラシーを用いて選定する社会事象間の相当因果関係が、現代の我が国において大きな課題となっている人工知能(AI)の社会実装化に際して必須である「説明変数」のより精緻な選定及びそれを通じた効率的な機械学習の実施にとって必要不可欠である、ということを十分認識しながら学ぶことを一つの目標とします。その上で、まずは未来シナリオを作成するための基本的なフレームワークを概念的に学習します。それに基づき、「定点観測」と「比較」を意識しながら、インターネット上にあふれる様々な公開情報(open source)から意味(intelligence)を読み取る技術を毎回の課題を通じて修得します。
日々の実践をベースにしながら、かつリスク・マネジメント論の最前線で語られる「適応性無意識(adaptive unconscious)」をも用いつつ、まずは直感的な因果関係のイメージとしての未来シナリオを作成します。次のステップとして組織・集団をリードするための具体的な手法(コミュニケーション技術、マネジメント技法、評価方法等)も学ぶことで、総じて「1+1>2」という付加価値を社会に対して創り出せるようになることを目標に学びを深めていきます。
原田ゼミでは、一人ひとりがこれまで築き上げてきた世界観が一度「崩壊」します。原田先生が提示する世界の姿は、私たちが半ば無批判的に形成してきた「常識」からはかけ離れています。しかし、そこで思考を停止してはいけません。なぜなら、そこが真のグローバルリーダーとしての出発点だからです。虚心坦懐に時代精神を掴みに行き、そこから「そうありたい」世界像としての未来を描いて、人々を巻き込み、想いの方向にイノヴェーションを起こす。これこそがリーダーシップであり、私たち東大生が背負う大きな責務なのです。
世界を変えたい。価値を生み出したい。そんな志と情熱を持った仲間が待っています。一人ひとりの生き方を問うリーダーシップの源泉で、君も世界のダイナミズムを肌で感じませんか?
https://us06web.zoom.us/j/91885927022?pwd=eXdZekk4T21NYm12UEFpVzVOVDZodz09
ミーティングID: 918 8592 7022
パスコード: 602016
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