昨日6月10日に開催された第148期第2回自治委員会において、本会理事会が提出した
「授業料値上げに関する駒場決議」案
が可決され(賛成93反対12)、それに付帯して
「授業料値上げに関する駒場決議」採択に付帯する自治委員会決議案
が採択されました(2つの対案と択一の方式で89票中61票の得票)。
また、「駒場決議」を内容とする学生投票の実施要求が賛成81、反対14で可決されました。
学生投票は前期教養学部生を対象に、早くて今週中ごろから5日間にわたって実施される予定です。
駒場決議と付帯決議の内容については、以下をご覧ください。
また、当自治委員会で改正された学生投票規則についてはこちらからご覧ください。

「授業料値上げに関する駒場決議」案

【主文】
自治委員会は、以下のとおり「授業料値上げに関する駒場決議」を採択する。
授業料値上げに関する駒場決議
1 今回の授業料値上げ検討の取止めを求める。
2 学生に大きく関わる決定に携わることは学生の権利であることを確認する。
3 「総長対話」を総長と学生とが対等に交渉できる場とするよう求める。
4 学生側との継続的な交渉に応じるよう総長に求める。

【理由】
5 月 15 日の報道以降問題となっている東京大学本部による授業料値上げの検討について
は、既に学生から様々な意見表明がなされていますが、大学本部側はこれに対して真摯な対
応を見せているとは言えません。6月 21 日の「総長対話」は学生側の要望にもかかわらず、
Zoom Webinar を利用した全面オンラインで開催される方針となり、複数開催も拒否するな
ど、学生側の意見を反映しようとしているとは到底言い難い状況です。このような状況で、
教養学部前期課程生6千人の代表者である自治委員会が学生側の意見を表明することは、
大学本部に学生不在の検討を思いとどまらせる上で非常に意義があることだと言えます。こ
れがこの決議案を発議する理由です。
なお、決議は、(1)今回の授業料値上げそのものに対する意見表明、(2)授業料値上げ等の決
定過程に対する意見表明、(3)当面の目標、(4)中長期的な交渉の目標、から構成されており、
内容の作成に際しては、参考資料として付した「全学一斉アンケート」で表明された学生の
皆さまの意見をもとにしました。この決議は、別の議案の可決をもって学生投票に付される
ものであるため、可能な限り簡明なものとしました。

 

「授業料値上げに関する駒場決議」採択に付帯する自治委員会決議案

【主文】
自治委員会は、「授業料値上げに関する駒場決議」の採択に際して、以下のとおり付帯決
議を採択する。
1. 自治委員会は、今回の授業料値上げの検討にあたって学生の意見を聴くことなく大学
本部で策定された案が既定路線化されつつあることを危惧し、既に学生が圧倒的多数
の反対を示している以上、今回の授業料値上げの検討は一度白紙に戻すことを要求す
る。
2. 自治委員会は、授業料値上げは様々な事情で経済的困難にある人を高等教育から疎外
するのみならず、大学入学や大学院進学の経済的心理的障壁を高め個人の選択を不当に
歪め得るものであるから、現段階でこれに反対する。
3. 自治委員会は、授業料減免措置の拡充は授業料値上げによって生ずるあらゆる問題を
解決するものではないことを確認する。
4. 自治委員会は、学生が自らに大きく関わる決定に携わることは、全構成員自治を認める
東大確認書及び学生の大学運営への参画の機会を認める東大憲章からして明白である
ことを確認する。
5. 自治委員会は、学生はおろか教授会も十分に参画できていない今回の授業料値上げ検
討は、大学法人化や国際卓越研究大学への応募などの機会に大学の意思決定の中央集
権化が進んだことの帰結であると認め、これに深い懸念を表明する。
6. 自治委員会は、「総長対話」に際して、情報の事前共有、学生による質問の機会の確保
を十分に行うほか、特にハイブリッド形式で複数回開催することによって、これを総長
と学生とが対等な立場に立って交渉できる場とすることを要求する。
7. 自治委員会は、大学本部に対して、本会をはじめとした学部や研究科などの学生を代表
する学生自治組織を交渉主体として認め、その代表団との徹底的な議論を継続的に行
うことを要求する。
8. 自治委員会は、本学の全ての学生に対してこの決議の趣旨に賛同することを呼びかけ
るとともに、本学の全ての教職員に対して学生と連携することを要望する。

– 17 –

【理由】
「授業料値上げに関する駒場決議」は学生投票にかけることを想定しているため、簡素に
ならざるを得なくなっています。そこで、自治委員会として授業料値上げに関して詳細な意
思表明をするために、付帯決議の形で決議を採択する必要があります。これが、この決議案
を発議する理由です。
なお、決議の内容は、(1)今回の授業料値上げ検討に対する意見表明、(2)授業料値上げその
ものについての意見表明、(3)授業料減免措置についての意見表明、(4)授業料値上げ決定過程
への学生の参画についての意見表明、(5)不適当な検討過程の原因についての意見表明、(6)
「総長対話」についての詳細な意見表明、(7)今後の大学本部との交渉についての意見表明、
(8)本学の学生、教職員への呼びかけ、から構成されています。